最高裁の新開廷期、初日は石油大手を訴えたボルダーの気候訴訟。アリート判事は外れ、4対4の同数なら訴訟は続く
8人の判事が2時間近く、コロラド州法でサンコアとエクソンモービルに気候被害の費用を負担させられるかを審理した。リベラル派3人はボルダー寄り、ロバーツとカバノーは企業寄りに見えた。アリートは理由を示さず審理から外れた。
連邦最高裁は月曜、2026〜27年開廷期をサンコア・エナジー対ボルダー郡委員会事件(Suncor Energy v. Commissioners of Boulder County、第25-170号)で開いた。州や自治体が起こした数十件の気候訴訟のうち、最高裁で弁論が開かれるのはこれが初めてだ。ボルダー郡とボルダー市は、サンコアとエクソンモービル(ExxonMobil)をコロラド州裁判所に訴えた。両社は化石燃料のリスクについて市民を欺きながら販売を続けたとして、パブリック・ニューサンスや不法侵害を含む州の不法行為法に基づき、その後の猛暑、山火事、洪水の費用の負担を求めている。コロラド州最高裁は訴訟の続行を認めた。連邦政府の支援を受ける両社は、気候変動は全国的・世界的な問題で連邦法だけが扱えるとし、大気浄化法と連邦コモンローの下では、排出に事実上の値段をつける州の陪審に出番はないと主張する。サミュエル・アリート判事は審理回避し、最高裁は理由を示さなかった。判事は8人となり、4対4に割れる可能性が開いた。そうなればコロラド州の判断が残り、全国的な規範は示されない。影響はコロラドにとどまらない。ホノルルからカリフォルニアまで、州や市の同種の訴訟が州裁判所で進んでいる。企業側が勝てばその大半は終わり、負ければ証拠開示へ進み、企業の内部記録が証拠になる。ボルダーの事件は事実審の前に最高裁へ来た。だから最初の争点は管轄になった。
クラレンス・トーマス判事は冒頭、終局判決に至っていない州の事件に最高裁の管轄が及ぶのかを問い、ケーガン、ソトマイヨール、ジャクソンの各判事も企業側代理人に同じ点を突いた。エイミー・コニー・バレット判事は核心をこう整理した。「州の不法行為法が規制の一形態だということには誰もが同意している」。ジョン・ロバーツ長官は、この訴訟が排出をめぐる最高裁の過去の判断を「回避する試み」ではないかと尋ねた。ブレット・カバノー判事は、ボルダーのような訴訟は被告を「破産」させかねないと警告し、連邦法の問題だとした。エレナ・ケーガン判事はたばこやオピオイドの訴訟になぞらえ、企業側代理人に「違いが示されるのを待っている」と述べた。憲法の構造だけでこうした訴訟が禁じられるという広い主張には、複数の判事が難色を示した。同数のほか、最高裁は「不適切な受理」として、受理すべきでなかったと事件を却下することもできる。判断は6月までに出る。同じ朝に出た開廷期最初の命令リストは、「レッツゴー・ブランドン」のスウェットシャツ事件や銃をめぐる一連の上告を含む多数の申し立てを退け、新たな受理はなかった。この日2件目の弁論、ジョンソン対合衆国議会事件は、退役軍人が給付法の合憲性を連邦地裁で争えるかを問う。司法省の弁護士が1時間の弁論で法律を擁護した。